ゴッドファーザー

nisim2462006-11-29


「もっと早くに○○に出会ってたら今の自分じゃいられなかった」
そういう出会いをする機会が、ここのとこ増えた気がする。
年をとった証拠だ。
出会うのがちょっと遅かった、仕方ない、後悔はしない。
今の自分があることをまず喜ぼう。ただ
鮮烈な出会いを人生の転機にしてしまうような無謀さはもうなくしてしまった。
もちろん、もっと早くその○○に出会っていても、何も変わらなかったかもしれないし、
いまより満足する人生であった保証はまったくない。
それはわかってる。


今日はあの有名な映画「ゴッドファーザー」を見た。
3時間のあいだ目を奪ったのはその映像の美しさ。
陰影が目に焼きつく。
色が深い。
構図が美しい。
シュールレアリズムをうまく飲み込めなかった自分だけど、どうやらこっちの琴線はまともに働いてるらしい。
撮影のゴードン・ウィリス、彼の名前は覚えておこう。
もしいま映画作成に携わるなら思うことは一つ、
ゴッドファーザーみたいな画を撮りたい」


で、今日も今日とて「もっと早くこの作品に触れていたら・・・」と、無駄な思索をしてしまった。
映像クリエイターか、はたまたフォトグラファーか、そんな道もあったかもな。
きっとそうやって考えてしまうのは、総じて高校まで勉強ばかりに重きを置いていたことへの後悔でもあるのだろう。
高校時代から興味の幅を広げていたなら、もしかしたら今頃何かの才能を爆発させていたかもしれないって。
漠然とした後悔、もしくは言い訳。
もちろんそれは、来年からの縛りも踏まえた上でのこと。
ミスチルの未来を聞くたびに切なくなる。


アル・パチーノは映画の中で
「先の見えた人生」や「過去を振り返る人生」を微塵も感じさせない。
いま自分が何をすべきか、何をしたいかは過去のことには縛られない。
結果的にイタリア系マフィアの世界へと足を踏み入れていったが、それも彼が望んだわけではない。
望むと望まざるとに関わらず、次の一歩を踏み出さなければならない。
そこに雑念のかけらもない。
この映画でおれが感じるアル・パチーノへの憧れにも似た感情はそこなんだと思う。